光の加減で青くも見える漆黒の毛並み。
目は澄んだ緑で宝石みたいにキラキラと光っている。
………綺麗
初めてこの猫を見たとき、一瞬頭が真っ白になり、ただその言葉しか浮かんでこなかった。
「ただいま。」
一人暮らしのマンション。
誰かがおかえりと言葉を返してくれる筈もないが、キラはいつも帰って一番にそう言うようにしている。
すると玄関からリビングへと真っ直ぐ続く廊下にもう一人の住居人が顔を出す。
その住居人はこちらに目線だけをよこすと興味もなさげにまた違う部屋へ行ってしまった。
どうやら物音がしたのでそれを確認しに移動しただけだったらしい。
〈……コイツ。〉
きっと自分の額には怒りのマークがぴきぴきとあらわになっているのだろうなと存外に考えながら玄関にしばらくキラは立ち尽くした。
もう一人の住居人、もといペットのアスランは2ヶ月ほど前から飼いだしたオス猫だ。
猫にしておくにはもったいないくらいの美貌に恵まれたこの猫は飼いだして2ヶ月経つが未だキラに懐こうとしない。
いや、懐くという表現には少し語弊があるかもしれない。
言うなれば彼は自由奔放なのだ。
彼はご主人に擦り寄ってきたり気持ちよさそうに喉をごろごろいわせたり、ましてや可愛らしく鳴いたりなんてしない。
むしろキラに近寄りもしないし一切鳴きもしない。
この2ヶ月アスランと過ごしてきたが、一度もアスランの泣き声をきいたことがなかった。
普段のアスランの行動といえば、勝手に外に散歩に行くか、毛繕いするか、寝ているかのどれかだ。
散歩に関してはどこをどう散歩しているのか全くわかっていない。
そしてたまにアスランはキラを観察している時がある。
キラの周辺2,3メートル離れたところからいつの間にかじぃーっとこちらを見ているのだ。
それはキラが課題などでパソコンに没頭している時などが大半だった。
一心にこちらを見つめてくる上に表情が読めないので時々居心地が悪くなるときもある。
と言うよりそんなに真剣に見つめないで欲しいというか………
何故か猫の彼に見つめられると照れるというか……
そんな無愛想極まりないアスランだが、不思議とキラが触っても嫌がったりはしない。
澄ましたような態度で尻尾を揺らすだけだ。
他の人が触ろうとすると瞬く間に逃げていくくせに。
そういう部分では自分はアスランに認めてもらっているのかなと思うとかなり嬉しい。
しかしそれ以上でもそれ以下でもない。
〈はぁ………〉
帰ってきた主人を労うそぶりを一切見せない我が飼い猫を思い、キラは何度目かわからぬ溜め息を吐く。
キラの描いていた可愛らしい猫像とはかけ離れたアスランの素っ気無さにまたもや落胆しながらキラは着替えるべく部屋へと歩き出した。
言い訳↓(反転)
ちょっと気晴らしに書いたアスラン猫もの小説です。
気の向くままに書いていこうと思うのでこれからの話の展開とか一切考えていません。
まあ萌えの続く限りは続くかと………
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